とりのうた

listening and writing the song of the "bird"

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

第3章 君の好きだった歌(6)

ASKAはSAY YESの大ヒットの直後、1992年のCONCERT TOUR 1992 “BIG TREE”のステージの上で、次のような一節を含む「道標」という散文詩を披露している。 道標は はじめからあった気がします例えば 大きな風が風車を回すのではなく小さな風車に生まれた風が遠…

第3章 君の好きだった歌(5)

フランチェスコが目指したこと。それはキリストの反復である。キリストのように一切の所有や形骸から解き放たれ、生身の人間として再生することこそ、フランチェスコの回心という出来事である。キリスト教が普遍宗教としてヨーロッパという埒を越える上で、…

第3章 君の好きだった歌(4)

ASKAは、アルバム「CodeName1. Brother Sun」のリリースに合わせて行われた月刊カドカワ‘95年8月号のインタビューで、この「Brother Sun Sister Moon」という映画について、こんなふうに語っている。 「『Brother Sun Sister Moon』っていう‘72年に作られた…

第3章 君の好きだった歌(3)

根源的偶有性に心が開かれてしまった者にとって、この世界のあらゆる構造物は、虚構に過ぎないと映るだろう。なぜなら、その構造物には必然性など実はなく、ただたまたまそうなっているだけであることに、虚しくも気づいてしまったのだから。そして何より、…

第3章 君の好きだった歌(2)

イタリア、ウンブリア平原。アペニン山脈に穿たれた穴。鳥が歌い、花が踊り、蝶が舞う穏やかな丘陵地帯だ。13世紀初頭、この地に立ち上がった「愛」がある。アッシジのフランチェスコ。現在に至るまで連綿と続くカトリック教会。その屋台骨を支える重要な修…